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平岡秀幸(俳優)
「演技の訓練はコミュニケーションの訓練である」といっても良いほど、舞台上の俳優には高いコミュニケーション能力が必要とされる。
それは俳優それぞれが、相手役と、舞台装置と、或いはまた今置かれている状況と関わることによって初めて「劇」が生まれるからである。
関わりが深ければ深いほど、より「劇」に深みが出る。
確かに演劇は虚構であり、作り物である。
だからこそ、虚構の上に真実を生み出さねばならないからこそ、より深い関わりが必要とされる。
関わるべきもの同士関わらないまま、何かを生み出したつもりになっている。
そんな演劇ほど退屈なものはない。
いや、それはもはや演劇ではなく、段取りのおさらいである。
本当の演劇とは、関わりの中から何かを生み出すことである。
演技とは、関わりの中から何かを生み出す技である。
それは見せかけの関わりではない。
「つもり」では通用しない世界なのだ。
我々演劇人が求めなければならない、「相手(ものごと)と真に関わることによって、何かが生まれる」という演劇の真髄が、リアルコンタクトの中にある。
全ての演劇人は、リアルコンタクトを必要としている。
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